治療が必要な歯並び

矯正

治療が必要な歯並び

歯並びや噛み合わせに異常がある状態を、不正咬合(ふせいこうごう)といいます。何種類かあり、原因は先天的のものと後天的なものがあります。不正咬合は治療が可能ですので、症状に心当たりがあれば、お気軽に当院へとご相談ください。

あなたの歯並びに当てはまるものはありますか?

  • 歯がデコボコ 叢生(そうせい)
  • 出っ歯が気になる 上顎前突(じょうがくぜんとつ)
  • 受け口で悩んでいます 下顎前突(かがくぜんとつ)
  • すきっ歯で悩んでいます 空隙歯列(くうげきしれつ)
  • 前歯がうまく閉じられない 開咬(かいこう)
  • 噛み合わせが深い 過蓋咬合(かがいこうごう)
叢生(そうせい)

不正咬合
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叢生(そうせい)

叢生(そうせい)とは、歯が重なったりねじれたりして生えており、歯並びがデコボコしている状態のこと指します。12~20歳の男女の前歯の状態調査では、叢生が最も多いという結果が出ています。乱杭歯とも呼ばれ、八重歯も叢生に含まれます。

原因

顎が小さい、もしくは歯が大きいなど、顎と歯の大きさがアンバランスであることが原因で起こる不正咬合です。特に、近年は軟らかい食事が増えたために、顎が細い方が増え、それに伴って叢生に悩む若い方も増えています。

悪影響

歯が重なったり捻じれたりして生えているため、丁寧に歯磨きをしても磨き残しをしてしまう可能性が高いです。磨き残しから歯垢や歯石が増えるため、虫歯や歯周病などの口内トラブルに罹患するリスクが高くなってしまいます。また、歯並びがデコボコしているため、審美的に良くない、上手く噛めず機能的にも良くないという影響があります。

治療法

マウスピース矯正(インビザライン)やブラケット矯正などで矯正治療を行いますが、どの治療法を取るかは、歯並びの状態によります。ブラケットのようなワイヤー矯正は幅広い症例に対応しますが、マウスピースのみで歯並びを整えられることもあります。叢生が一部だけであれば、部分矯正を行うこともありますが、抜歯が必要な症例もあります。

成長中であるお子様であれば、1期治療で顎の成長をコントロールして、全ての歯が綺麗に並ぶだけのスペースを確保し、2期治療では歯並びを整えることもできます。場合によっては、2期治療を行わなくても良いこともあります。また、顎の成長をコントロールするため、抜歯をする必要がないケースもあります。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

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上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎前突(じょうがくぜんとつ)とは、上の歯が下の歯よりも前に出過ぎている歯並びのことを指します。一般的には「出っ歯」といわれ、12~20歳の男女の前歯の状態調査では、叢生に次いで2番目に多いとされています。
上顎前突には、上顎の歯が斜めに生えてしまうことで出っ歯になるケースと、下顎よりも上顎が大きいことで発生するケースの2種類があります。

原因

先天的な原因と後天的な原因があり、先天的なものは上顎と下顎の発達がアンバランスであるという、骨格が原因で起こります。 後天的な場合、幼少期に指しゃぶりや舌で前歯を押すといった舌癖、爪噛みなどによって、上顎の歯が前方へと傾いて生えてしまうことになります。また、成長期に鼻呼吸よりも口呼吸をしていると、口周りの筋肉に締まりがなくなり、歯が前に傾いてしまうことがあります。

悪影響

上顎前突は、上の前歯が出ているため、横顔のバランスが悪いなどの見た目に対するコンプレックスを抱える原因になります。しかし、このような審美的なデメリットだけでなく、噛む・発音するといった機能にも問題が起こることがあります。
また、過度に出っ歯であると口が閉じにくく、口内が乾燥しがちです。ドライマウスになってしまうと、口内トラブルが起きるリスクが高くなります。

治療法

歯が傾いているために上顎前突が起きている場合は、マウスピース矯正(インビザライン)やブラケット矯正などで歯並びを整えます。部分的な矯正でも、歯列が改善することもあります。しかし、上下の顎のアンバランスさが原因である場合、前歯を後ろに収めるためのスペースが必要になるため、上の奥歯や小臼歯を抜歯しなくてはならないこともあります。

また、前歯を引っ込めるだけでなく、噛み合わせの調整も併せて行わなければならないケースも多いです。そのため、矯正治療と咬合治療の進行バランスを取らなくてはいけません。

下顎前突(かがくぜんとつ)

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下顎前突(かがくぜんとつ)

下顎前突(かがくぜんとつ)は、口を閉じたときに上の歯よりも、下の歯が前に出ている状態のことを指します。一般的には「受け口」や「反対咬合」と言われることも多い歯並びです。12~20歳の男女の前歯の状態調査では、調査された不正咬合の中では一番少ないパーセンテージですが、下顎前突の弊害は小さくありません。

原因

多くの下顎前突は、先天的な原因により起こります。遺伝的要因による場合、下顎が正常よりも成長したり、反対に上顎が成長不足だったりすると、下顎前突になります。後天的には、指しゃぶりや頬杖、上唇を噛むなどの習慣・癖が原因となります。また、常に口呼吸をしている場合も、下顎前突になりやすいです。

悪影響

下顎前突の場合、下顎がしゃくれて長く見えるため、見た目にコンプレックスを感じる方が多いです。見た目だけでなく、歯がしっかりと噛みあわないことにより、咀嚼機能の低下や発音のしにくさといった機能面での影響も大きいです。また、それらを無理に行おうとすることで顎に負担がかかり、顎関節症を発症することもあります。

治療法

骨格の成長が止まっている成人と、成長中である子どもとでは、下顎前突に対する治療方法は異なります。

  • 成人の治療法

    成人は既に顎の成長が止まっているため、下顎前突の原因が骨格にあっても歯を調整することで咬合の改善を図ります。奥歯か小臼歯を抜歯することでスペースを作り、できた空間に歯を並べます。歯の傾きが原因の場合は、主にブラケット矯正を用いて、場合によってはマウスピース矯正で歯列を整えます。
    下顎が過度に大きい場合は、外科手術を用いた矯正治療を行わなくてはいけません。顎の骨を切る手術と矯正治療のどちらもを行いますが、「顎変形症」と診断された場合は、保険の対象となります。

  • 子どもの治療

    子どもは成長期にあるため、顎の成長をコントロールし、上下の顎のバランスを調整することで、抜歯や外科的処置をせずに治療することも可能です。
    歯が前傾している場合は、ブラケットやマウスピースを使った矯正を行います。下顎前突の原因が習慣や癖である場合は、意識して止めていただくよう要請する場合もあります。

空隙歯列(くうげきしれつ)

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空隙歯列(くうげきしれつ)

一般的には「すきっ歯」と呼ばれる空隙歯列(くうげきしれつ)は、歯と歯の隙間が目立つ状態のことを言います。全体的に隙間が目立つケース、上前歯のみ目立つ隙間があるケースなど、患者様によって現れる症状が異なります。

原因

先天的な理由により空隙歯列となることが多いです。
例えば、生まれつき歯の本数が少なかったり、歯の大きさが通常よりも小さかったりすると、歯自体が綺麗に生えていても、全体的に隙間が出来てしまいます。逆に、普通であればないはずの歯が、歯と歯の間に埋まっていることがあり、その分だけ隙間を空けて歯が生えてくることがあります。

歯以外にも、上唇小帯(じょうしんしょうたい)が発達しすぎると、上の前歯に隙間が空いてしまいます。上唇小帯とは上唇と歯茎を繋ぐヒダのことで、通常より発達すると、歯茎の内側にまで伸びてしまいます。

悪影響

歯間に隙間が空いているため食べ物が挟まりやすく、歯垢・歯石の原因となり虫歯になるリスクが高まります。また、歯間に食べ物の欠片が押し込まれてしまうことがあり、そのため歯肉を傷付けやすく歯周病の原因となりやすいです。

また、歯間の隙間がどれくらい空いているかにも異なりますが、息漏れしやすくなるためサ行などの発音に影響を及ぼしやすくなります。舌ったらずな話し方になったり、英語の発音が上手く出来なかったりします。

治療法

全体的に歯間の隙間が空いている場合は、マウスピースやブラケットを使用した矯正治療を行うことがあります。もしくは、ラミネートべニアやダイレクトボンディング、セラミッククラウンで歯を大きくすることで、感じていた不便や不満を軽減・改善できる場合もあります。

開咬(かいこう)

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開咬(かいこう)

開咬(かいこう)は、奥歯を噛み合わせても、前歯は噛みあわずに上下の歯が開いてしまっている不正咬合の1種です。「オープンバイト」とも呼ばれ、そう多い症状ではありませんが、口腔機能に大きな悪影響を及ぼす噛み合わせです。

原因

先天的に顎骨の形に問題があると開咬になることがありますが、後天的な理由により開咬になることもあります。
指しゃぶりや爪噛みといった習慣、前歯で舌を押したり、舌を軽く噛んだりといった舌の癖があると開咬になりやすくなります。また、鼻ではなく口で呼吸していると唇の筋肉が弱くなることも、後天的な開咬になる原因の1つです。

悪影響

開咬になると前歯が噛みあわないため、食べ物を噛み切ることが難しく、舌や顎、消化器官へ大きな負担がかかることになります。そのため、顎関節症や胃腸障害を引き起こしたり、噛みあう奥歯や奥歯の詰め物・被せ物が壊れたりするリスクが高くなります。

口を閉じても常に前歯が開いているため息漏れして、サ行などの発音が不鮮明になります。また、口が開きがちになるため、口内が常に乾き(ドライマウス)、虫歯や口臭といった口内トラブルだけでなく、風邪やインフルエンザなどにもかかりやすくなります。

治療法

大人と子どもでは治療方法が異なります。

  • 成人の治療法

    マウスピースやブラケットを使った矯正治療を行い、正しい歯列にしていきます。歯を動かすスペースが確保できない場合は、抜歯を行います。また、顎の位置が大きくずれているケースは、手術が必要になる可能性もあります。

  • 子どもの治療

    開咬となった原因である習慣や癖を矯正し、根本からの解決を図ります。マウスピースやブラケットで歯列矯正を行うことで、歯を抜かずに正しい歯並びに矯正できるケースもあります。また、鼻が悪いことなどが原因で口呼吸をしている場合は、呼吸器疾患の治療が必要になります。

過蓋咬合(かがいこうごう)

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過蓋咬合(かがいこうごう)

過蓋咬合(かがいこうごう)は「ディープバイト」とも呼ばれ、開咬とは反対に、上下の歯の噛み合わせが深く、上の歯で下の歯が見えなくなる状態を指しています。正常であれば、上の歯は下の歯に、約2~3mmしか被りません。

原因

先天的には、顎の成長がアンバランスになってしまった、前歯が伸びすぎている、奥歯が正常よりも伸びていないなど、骨格や歯の異常が原因です。後天的には、頬杖や下唇を噛んだり吸ったりといった癖で起こることがあります。また、何らかの理由で奥歯を欠損していると、過蓋咬合になってしまいます。

悪影響

上下の歯が深く噛み合わさっているため、前歯同士の接触によって歯が摩耗したり、前歯への過度の負荷から、歯を支える歯槽骨が吸収されたりします。また、下顎への負担も大きく、顎関節症を引き起こしてしまうケースもあります。

過蓋咬合は、年々噛み合わせが深くなっていくため、それに伴って虫歯や歯周病といった口内トラブル、顎関節症のリスクが高くなりますので、早期に治療することが大切です。

治療法

ブラケットやマウスピースを使い、奥歯を引っ張って高さを増やし、上の前歯を引っ込める治療を行うことで、上下のバランスを調整します。また、子どもが治療する場合は、一期治療の際に顎の成長をコントロールして骨格の調整を伴う治療を行います。

お悩みやご希望を伺い、
一人ひとりの患者様に合った治療法をご提案します。

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